1986年にファミコン用ゲームソフトとして発売され
大人気となった「ドラゴンクエスト」について、
クリエイターたちが開発していった苦労話をマンガで描いたもの。
プロデューサーの千田幸信とプログラマーの中村光一と
シナリオライターの堀井雄二の3人を中心に、
初代ドラゴンクエストがどういった経緯と工夫で
出来上がっていったのかが非常によくわかる。
中世ヨーロッパを題材にしたファンタジーな世界観や
コマンド選択方式、マルチウィンドウなど
現代のRPGでは当たり前となった要素を生み出す場面があり、
そういった苦労話にワクワクさせられる。
モンスターのデザインや作曲を担当した
鳥山明やすぎやまこういちも登場し、
まさに今のドラクエ人気を作り上げたメンバーが勢ぞろいする。
ファミコン特有のスペックや時間的な制約が多い中、
RPGという文化を日本に根付かせる完成度のゲームを
見事に作り上げた熱意と努力が伝わってくる内容。
ドラゴンクエストを知らない人でも問題なく理解できるし、
マンガとしてもテンポよく楽しめるようになっており、
創作物に関わる人ならぜひ読んで欲しい。
※のちに発売されたガンガンコミックス版は
内容が一部削除されているため、オススメしない。