第2次世界大戦の終盤、フィリピンのペリリュー島において
上陸してきたアメリカ軍と戦った日本兵の様子を
気弱な隊員の視点から描いたもの。
頭身の小さいかわいらしい絵柄なので
戦争という題材に合わないかと思ったが、
読み進めていくうちに、このタッチだからこそ
戦時中の壮絶さが際立って感じるようになる。
圧倒的な兵力差で敗戦濃厚となる中、
敵と飢えに苦しむ様子がひたすら強烈。
次々と仲間が死んでいく過酷な状況に
異常な精神状態になっていくのが怖い。
勝利どころか生存の希望も見えない当時の様子を
生々しく追体験できる良作。