独自の習慣や制限を強いられる
特殊な集団生活を送ってきた作者が
子供だった当時を振り返ったもの。
宗教団体の一種だと思われるが
教祖の存在や金品の献上などは感じられず、
あくまで子供視点から見た日常を描いている。
食事や娯楽、自由が厳しく制限された生活は
子供にとってはかなり過酷だと思うが、
作風が淡々としすぎていて
深刻さや過酷さがどうにも伝わってこなかったり、
ふいに挿入される夫のコメントなどは好みが分かれる。
また、文字が小さくて読みにくいなど
マンガとしてもイマイチな部分があり、
せっかくの貴重な体験談が
表現方法のせいで阻害されているのは残念。
集落の異常性は興味をそそるが、
「愛と呪い」や「カルト宗教信じてました。」あたりの
強烈な描写と比べるとパンチが弱く、
そこまでの壮絶さが味わえなかった。