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騙し絵の牙

出版不況で経営の苦しくなった大手出版社において
関係者のさまざまな衝突と奔走を描いたもの。


舞台となる出版社に関わる人間関係が複雑で
各人物の思惑を整理するのがかなり大変。
そのつかみどころのない作風が醍醐味なのかと思ったが、
終盤の大転換も期待したほどの痛快さがなく、
誰を主人公にしたいのかよくわからない筋書きだった。


もっと巧妙な騙し合いや編集長の策士ぶりを味わいたかったが、
単にバタバタしているばかりで中身が薄っぺらく、
各要素をうまく活かせないまま終わってしまった。

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