妻を亡くして生きる意味を見出せなくなった偏屈な老人が
近くに引っ越してきた一家をきっかけに地域と交流していく話。
ルールに厳格な主人公の言い分は確かに正しいのだが、
融通が効かなさすぎて周囲にウンザリされたり、
口うるさいことで嫌われている様子がリアル。
「幸せなひとりぼっち」をリメイクしたアメリカ映画版で、
全体的にオリジナル版に忠実な筋書きだが、
見比べてみると元の作品の方が
遥かにテンポのいい構成になっている。
また、トム・ハンクスに品の良さが漂っているせいで、
堅物な雰囲気が弱体化してしまっている。
周囲との絆が強まってくる中盤から終盤にかけても
オリジナル版の方がグッとくる部分が多い。
単体で観ると一定の面白さはあるのだが、
リメイクとしては残念ながら
元の作品を上回るデキには至らなかった。
【関連作品のレビュー】
幸せなひとりぼっち(オリジナル版)