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十角館(じゅっかくかん)の殺人

十角形の形をした特殊な屋敷に訪れた7人の大学生と、
その建築家と同居人が殺された事件を追う男たちの話。


身動きが取れない中で事件が起きていく島と
半年前に起きた殺人事件の手がかりを追う本土との
2ヶ所の出来事が同時並行で描かれていくが、
会話が多いのでサクサクと読めるし、
どちらの状況も興味をそそられるようになっている。


島にいる7人はミステリー研究会ということもあって
状況を論理的に分析して進めていくところは好印象だが、
のメンバー同士が外国人の名前で呼び合う独特の設定のせいで、
性別や雰囲気がイメージしづらいのは難点。


最後に全貌が明かされるどんでん返し系の筋書きなので、
読んでいる途中は70点程度の印象でも
ラストで一気に満足度を上げてくれるかと思ったが、
いざ真相を読んでみると計画が雑で行き当たりばったりな部分も多く、
手が混んでいる割にそこまでの衝撃を感じないオチだったのは残念。


ミステリーの傑作として必ず名前が挙がる1冊だが、
残念ながらそこまでの面白さが感じられない読後感だった。

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