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リクルートを辞めたから話せる、本当の「就活」の話

採用活動する企業と就職活動する学生との間を取り持つ株式会社リクルートで
20年間勤めた作者がその経験を活かし、就活生向けにアドバイスした本。

私も専門学校での就職指導に当たっているが、
序盤で紹介されている、就職活動で学生がよくやる言動に関しては
もう納得の一言で、まさにこういう就活生が世間であふれている。

ただ、就活生向けのアドバイスの中には納得できない部分もあり、
面接で質問されたら返答だけをして、
追加の質問をされた場合のみ詳しく説明する、というやり方は
話が広がらず、何度も質問しないと詳細を語らない学生になる危険性もある。

成功例として紹介される学生はたった4名だし、
アドバイスを受けたあとに行動を起こせる実行力のある学生ばかりであり、
なかなかこの本で言われた通りに動ける人は少ないだろう。
作者の特別講座に入るために
筆記試験まで実施してふるいにかけているようだし、
それぞれ個別対応とも言える細かい指導なので
多くの学生の状況を一気に改善する場合には使えない実例だ。

「アルバイトでNo.1になってみろ。PDCAを回せ」というやり方は
分析力や行動力が備わっている学生でないと難しい。
アルバイトに申し込むだけでも腰が重いような学生にはとても真似できない。

「それができたら苦労しない」ということばかりが挙げられているため、
この本を読んだからといって魅力的な人材に変われる、
就活で成功する、というわけではないだろう。
読んだところで「やはり自分には無理だ」と
不安が増す学生の方が多いのではないか。
これなら「勝ち組就活生になるための本」を読むことをオススメする。

就活に関する時期や数値、流れなどはわかりやすく説明されているので
今後、就活に関わっていく学生や保護者が予習のために読むには良い。

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