サラリーマンで毎月給料から天引きされる所得税を
ゼロにしてしまう「無税の人」のやり方を語った本。
要するに副業を自営業として登録し、
そこでの収支を赤字の事業所得とすることで
サラリーマン側の収入と相殺させて利益をゼロに持っていくという流れ。
もったいぶらずに30ページ程度の第1章で
早々とその方法を説明しているのは非常に良心的。
しかし、それ以降の文章も結局は同じ内容を説明しているだけで
全部で100ページを超える本にする必要があるかというと微妙だ。
一般的にサラリーマンの副業は「雑所得」として確定申告するが、
開業届を税務署に提出し、副業を事業として登録すれば
さまざまな経費という名目で収入以上の赤字とする方法。
つまりはその人全体の利益としてはプラスにならないため、
所得税もゼロとなり、源泉徴収されていた分が
還付(戻ってくる)される仕組み。
これを読んで不安になるのが、罪にならないのか、
何かしらの違反に当たらないのか、というところだが、
途中、それが違反でないことを説明する箇所も出てくる。
これを実際に実行するかどうかは個人個人の判断だが、
前提条件として、税務署に事業として認めてもらうべく、
ある程度、継続して業務が発生するだけの副業が必要になる。
実際に文章やイラストなどで定期的に依頼を受ける腕と人脈があるならいいが、
そういったものがゼロである場合、
そもそも副業とする名目がなくなってしまう。
定期的に仕事が来る副業をしている人ならば
事業登録してしまおうか、と考えることは不思議ではない。
そういった知識や情報を持っている人にとっては特別な話ではないので
あくまで「確定申告すらしたことがない人向け」の雑学だろう。
説明は丁寧だし、本としては非常に読みやすいので
実行するかどうかは別として興味本位に読んでみると面白い。