一攫千金を狙う主人公と友達、将来を誓った恋人、
テレビ出演を夢見る母親のそれぞれが薬物で身を崩していく話。
覚せい剤によって人生を滅ぼしていく様子を非常にリアルに描いており、
中盤まではそれなりに順調で満足感を感じていた登場人物たちが
それぞれ一気に堕ちていく様子が非常に怖い。
主に3つの場面をザッピングしながら展開していくが、
薬物を使った瞬間に挿入される演出が徐々に頻繁になっていく。
薬物中毒の若者を扱った作品は珍しくないが、
本作の見どころはテレビ出演に固執する母親の姿だ。
出演話に浮かれていたところからダイエットの重圧に追い詰められ、
どんどん狂気じみていく様子は演技とは思えない迫力がある。
快楽のために手を出したわけではないのに薬物で堕ちていくのが怖い。
なんの救いもないストーリー展開だが、
病みつきになりそうなエグさが良い。
薬物乱用防止に絶大な威力を発揮しそうな映画。
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