タイトルに冠が付いていないが、
ドラマ「ガリレオ」の続編としての映画となる。
テレビドラマの映画化はえてして2時間スペシャル番組程度の価値しかなく、
わざわざ映画館に観に行くほどのものでないことが多いが、
本作は非常に濃厚なシナリオと確かな演技力が光る魅力作だった。
大学で「ガリレオ」と呼ばれる准教授(福山雅治)が
女性刑事(柴咲コウ)の受け持つ事件の謎解きに
知恵を貸すというお馴染みの設定だが、
ドラマ版を観ていなくても問題なく楽しめるようになっている。
このドラマの主役はもちろんガリレオなのだが、
今作はとにかく「石神」という数学教師の存在が素晴らしい。
キャラクター設定や性格付け、その演技はとにかく素晴らしく、
まさにグイグイと引き込まれていく。
ミスリードや伏線もうまく、何度も展開が変化し、
しかもそれに無理がなく、説得力と深みを感じる。
怒涛のクライマックスはまさになんとも言えない後味で
とにかく見応えがあった。
タイトルに「ガリレオ」の単語を付けず、一本の作品として勝負したのも正解。
ドラマの映画化に眉をひそめる人にも強くオススメ。
冒頭に報道される事件だけは何の関係もないのが残念だった。
単にガリレオ登場の理由にしたいだけなら無意味に派手すぎる。
【関連作品のレビュー】
ガリレオ<第1シーズン>
ガリレオφ(エピソードゼロ)
ガリレオ<第2シーズン>
ガリレオXX 内海薫 最後の事件
真夏の方程式
ガリレオ 禁断の魔術
沈黙のパレード