弱者を騙す詐欺の加害者に接触し、
巧妙に金を巻き上げていく経済学者の話。
一般の人が搾取されてしまう身近なトラブルを題材に
その手口や心理などがうまく解説されていて面白い。
犯罪者たちがあまりにあっけなく手玉に取られるので
そのあたりのリアリティは低いが、
詐欺行為の仕組みや行動経済の理屈について勉強になる。
ひとつのエピソードがちょうどいいボリュームで完結するし、
ビジネスに関する知識や感覚を磨きながら
勧善懲悪の痛快さを味わうことができる良作。
弱者を騙す詐欺の加害者に接触し、
巧妙に金を巻き上げていく経済学者の話。
一般の人が搾取されてしまう身近なトラブルを題材に
その手口や心理などがうまく解説されていて面白い。
犯罪者たちがあまりにあっけなく手玉に取られるので
そのあたりのリアリティは低いが、
詐欺行為の仕組みや行動経済の理屈について勉強になる。
ひとつのエピソードがちょうどいいボリュームで完結するし、
ビジネスに関する知識や感覚を磨きながら
勧善懲悪の痛快さを味わうことができる良作。
偶然立ち寄った資産家の屋敷で
お金についての概念を教わる中学生の話。
社会におけるお金の役割や働きについて
主人公である中学生が俯瞰的な視点でとらえられるよう
経済について少しずつ噛み砕いて説明する内容。
小説という形のおかげで身構えずに読むことができるが、
情景描写や心理描写が挿入される分だけ
説明が回りくどく感じる部分はある。
主人公の中学生と同様に経済について不慣れな人が
お金を軸とした社会構造について理解するための入門書。
資産家の娘と証券会社で働く女性が
いろいろな金融商品について議論する話。
投資について初心者に説明する入門マンガかと思いきや
ある程度の予備知識がある人向けに
俯瞰的な視点から解説する内容で、中級者こそ勉強になる。
ただ、ざっくりした意見ばかりで歯切れが悪かったり、
「株価は上がるか下がるかだから勝率は2分の1」など
あまりに乱暴な理屈が示されるところは残念。
同じ髪色のキャラクターが見分けにくいのもマンガとしてはイマイチ。
投資の知識を得るというより
それらを題材にしたエッセイとして割り切った方がいいが、
株式投資について異なるとらえ方をするきっかけになる本。
社会におけるお金の役割や存在意義を
予備知識なく直感的に理解できるよう解説したもの。
社会経済をお金ではなく労働力の観点から考えることで
これまでと違ったイメージでとらえるという発想は面白く、
お金が行き来することでどういう影響が生まれるか、
それが人々の生活にどう関わってくるかがよくわかる。
いろいろな要素が複雑に絡む経済の世界を
グッとシンプルに考えることで
固定観念を打ち砕く感覚が得られるが、
バッサリと単純化されている話の中には
いくつか納得しにくいところもあった。
柔軟な視点で世の中を見つめ直せる本。
マルクスの著書「資本論」になぞらえたタイトルだが、
全体としては環境問題対策についての考察をまとめたもの。
作者自身が集めたいろいろな情報をもとに
気候変動に対する数々の施策が
どういう結果につながるかを解説した内容だが、
マンガではあるものの大部分が説明台詞のため
読むのはかなり時間がかかるし、結構な疲労感を感じる。
各理論について有効性・正当性の正否を
作者の主観でハッキリ断言していく論調は好みが分かれるところ。
果たして本書のことをどれだけ信頼していいのかがわからないので、
あくまでいろいろな理論の影響や効果を
知るための本だと割り切った方がいいだろう。
経済に関する内容を期待するタイトルなのに
大部分が環境対策の話題ばかりなのは残念だが、
マンガという媒体で広く浅く勉強できる1冊。
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月とにほんご
体内から紙幣を生み出す能力を持った少年が
さらわれた姉を取り返すために奔走する話。
身体から紙幣を無尽蔵に出せるという特殊能力を利用して
事態を自分の望む方向に誘導しようとする内容だが、
生み出す紙幣に致命的な欠点があり、
単純に大富豪になれるわけではないところが面白い。
その上でどのように活用するのかが問題になってくるが、
その戦略を練る過程で貨幣が社会に与える影響や
偽札やインフレで一般市民がどう行動するかなど
経済の知識がいろいろと身につくところも醍醐味。
また、メインキャラクターはどれもやたら個性的だし、
「ジョジョ」シリーズのような
相手の裏をかき合う心理戦も面白い。
絵はうまくないし、マンガとして稚拙な部分も多いが、
武力ではなく経済戦争を題材にした珍しい作品。
バンドやアーティストとしても活動する筆者が
経済や投資に対する考え方や姿勢を語ったもの。
「投資の話」というタイトルではあるが
実際に投資関係の話題が出てくるのはかなり終盤で、
それまでの大部分は経済の話で埋められている。
しかも筆者の持つ知識をひとつのトークにつなげたような文章で
各用語や話題の区切りがなく、ひたすらダラダラした話が続く。
内容は決して間違っていないし、
要所要所でいろいろと勉強した背景を感じるが、
初心者が読んでわかりやすいかというとかなり微妙。
また、経済や投資に詳しい人が読むと
基本的な内容を回りくどく説明しているように感じる。
口調が独特なだけで情報として目新しいものは特になく、
投資の初心者にも中級者にも中途半端な1冊だった。
芸人としての活動をしつつIT企業にも勤める厚切りジェイソンが
お金の増やし方と投資の必要性を解説したもの。
マネーリテラシーの大切さと支出の減らし方の実例、
投資の基本的な知識と具体的な方法の紹介など、
実際の経験をもとにかなり初心者向けに書かれており、
投資のことがわからない人でも短時間で読みやすい。
手法としてはインデックスファンドを長期運用するという
最近よく聞く投資スタイルになるが、
実際に家族全員が生活できる金額を
投資の利益だけで生み出しているとのことで説得力がある。
「資産運用に無関心な人が読む本」と共通するコンセプトで、
投資未経験の人にその必要性と有益性をわかりやすく示す入門書。
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日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy
大成功を収めた投資家として有名なウォーレン・バフェットの
人生と投資哲学をまとめたもの。
「マンガでわかる」というタイトルの割に文章ページがかなり多く、
マンガは伝記的な意味合いしかないのが残念だが、
バフェットの投資哲学が簡潔にまとめられている。
株式に関する用語や意味など
ある程度の予備知識は必要だが、
バフェットが企業選びをするときに
心がけているポリシーとその理由が理解できる1冊。
【関連作品のレビュー】
マンガ ウォーレン・バフェット
定年による退職を待たずに
早い段階で生活に必要な資産を築いて
早期退職する「FIRE」について解説したもの。
どのように資産を築くかという手順書とはいえ、
収入アップや副業、日々の出費の節約など
これまでにもさんざん語られてきたような内容で
前半を占めるため、非常に内容が薄い。
FIREを意識するような人はすでに収入や支出はもちろん、
投資などによる資産形成を考えてきたはずであり、
もっとFIRE関連に限定した内容で構成して欲しかった。
後半の年金や退職金絡みの部分は参考になったが、
同じような話が何度も繰り返される上に
グラフや表を使った情報整理もないので、
どの程度の金額を想定するべきかを
文章から拾い読みする必要があって手間がかかる。
今まで資産形成に対してまったく意識していなかった人ならともかく、
FIREに関する具体的な情報を期待する人には中身が薄すぎる本。