小さな宝石店で起きた強盗事件を軸に、
関係者たちの様子を描いていく群像劇。
簡単に成功するはずの計画だったのに
予定外の行動が次々に新たなトラブルを生み、
収拾がつかなくなっていく。
定期的に焦点を当てる人物を変えながら
キャラクターに深みを出していく構成は見応えがあったが、
少しテンポが悪く、もう少しコンパクトにまとめた方が
いろいろな要素が結びつく気持ちよさが際立ったように思う。
非常によく練られた筋書きだが、
もう少しスピード感が欲しかった。
小さな宝石店で起きた強盗事件を軸に、
関係者たちの様子を描いていく群像劇。
簡単に成功するはずの計画だったのに
予定外の行動が次々に新たなトラブルを生み、
収拾がつかなくなっていく。
定期的に焦点を当てる人物を変えながら
キャラクターに深みを出していく構成は見応えがあったが、
少しテンポが悪く、もう少しコンパクトにまとめた方が
いろいろな要素が結びつく気持ちよさが際立ったように思う。
非常によく練られた筋書きだが、
もう少しスピード感が欲しかった。
勇者とともに冒険してきた魔法使いのエルフが
魔王討伐を果たしたあとに過ごした日々を描いたもの。
世界の平和を脅かす敵と戦う冒険譚ではなく、
すでに大冒険が終わり、
勇者率いるパーティが解散したあとの話で、
当時の思い出に浸りながら旅をする珍しい設定。
長い寿命と圧倒的な強さを持つ主人公だが、
ほとんどの生き物が自分より早く死ぬことから
その孤独な心情が伝わってきて絶妙な切なさが漂う。
感情の起伏の少ない淡々とした性格だが、
不思議と好感が持てるキャラクターで、
困難な状況を乗り越える知恵がありながらも
仲間とのトボけたやり取りが楽しい。
不思議な居心地の良さがある世界観で、
主人公の日常をいつまでも観ていたくなる良作。
【関連作品のレビュー】
葬送のフリーレン(マンガ)
ウイルスによって絶滅しかけている人類を救うため、
過去の時代に派遣されたタイムトラベラーの話。
いろいろな時代を行き来しながら
少しずつ人間関係が変化していく展開だが、
断片的に入ってくる情報をつなぎ合わせて
整理していくのが割と大変で、
その苦労に見合うほどの面白さは感じなかった。
未来から来たことがなかなか信じてもらえず、
精神病だと見なされてしまうところは新鮮だが、
状況がよくわからないまま話が進んでいくので
観ていて混乱するし、ややこしい印象を受ける。
おそらく何度も観ることで不透明だった部分が
伏線としてつながって理解が深まっていくタイプの作品なので、
そのあたりの覚悟があるかどうかで評価が分かれるだろう。
2008年にインドで起きた同時多発テロにおいて
標的となった高級ホテルの内部を描いた話。
武装している上に組織化されたテロ集団に
何もできないままホテルが制圧され、
宿泊客を誰ひとり逃がさないよう
念入りに襲撃していく様子が恐ろしい。
また、極限状態が続く中でパニックに陥り、
理性的でない行動をとる人間が出るのもリアル。
運の要素も大きく絡むために
何が正しいのかわからないところが難しい。
全編にわたって不安な状況が続くので
観ていても辛いばかりなのだが、
キーとなるキャラクターをうまく使って
映画として没入できるよう工夫されている。
日常の中で突然起きるテロの恐怖を
生々しく追体験できる作品。
【関連作品のレビュー】
後味が悪すぎる49本の映画(書籍)
第1シーズン、スペシャルドラマ、劇場版に続くシリーズ4作目で、
同棲しているゲイカップルの
ちょっとした日々のやり取りを描いた話。
基本的には過去シリーズと変わらない雰囲気で
いい意味でいつも通りの味わいがあるが、
今シーズンは女心を持つケンジを主人公にした筋書きが多く、
彼の素直で感情や思いやりが感じられる。
年齢を重ねてきたことで
仕事面や身体面で変化が起きる2人だが、
それぞれ柔軟で前向きな考え方と
支え合う様子にホッとさせられる。
ほのぼのしたエピソードの中に
グッとくる場面が用意されていて、
ゲイという設定に関わらず楽しめるドラマ。
【関連作品のレビュー】
きのう何食べた?<第1シーズン>(テレビドラマ)
きのう何食べた? 正月スペシャル2020
きのう何食べた?(映画)
子供の頃からベジタリアンとして育てられた少女が
大学進学に伴って親元を離れたことで
肉食の魅力にはのめり込んでいく話。
気弱で世間慣れしていない主人公が
上級生からの異常な洗礼を受け、
辛い学生生活を予感させる導入部だが、
そこから一気に方向を変えて
他作品にはない種類の恐怖を味わわせてくる。
何が起こるかわからない不安と
衝動が抑えきれない様子がとにかく恐ろしく、
どんどん暴走していく主人公が強烈。
痛々しい描写も多いので直視できない人もいるだろうが、
欲望がむき出しになった怖さが味わえる良作ホラー。
作品情報:
https://www.netflix.com/title/81314956
豪華な別荘を借りてバカンスに訪れた一家が
あらゆる情報から遮断された状況に陥る話。
異常な雰囲気を演出するのがうまく、
何が起きているのかがわからないまま
どんどん追い詰められていく展開がとにかく恐ろしい。
技術の進化によって便利になった現代社会だが、
必要な情報が得られなくなるだけで
不安で無力な状態になることがよくわかる。
ヒステリックにわめく母親にはイライラさせられるが、
こういう言動の人間は現実にも必ずいるだろうし、
他の登場人物の言動にもリアリティを感じる。
不穏さが伝わってくる各場面の構図も見応えがあり、
自然災害やモンスターなどではない
今の時代ならではのパニック映画の良作。
作品情報:
https://www.tv-asahi.co.jp/ohgon_no_toki/
その品質が世界的に認められている時計メーカーの
セイコーを創業した服部金太郎が
いかにして会社を大きくしていったかを描いたもの。
140年以上も前の時代に、懐中時計などの
精密な機械がここまで普及していたことも衝撃だが、
いまや日本の代表的なメーカーとして知られるセイコーが
かなり泥臭いやり方で成長していったことにも驚かされる。
多少の脚色もあるかもしれないが、
時計に対する強い想いを抱く主人公が苦境を乗り越え、
仲間とともにビジネスを成功させていく展開に引き込まれる。
かなり時間が経つのが早いので
数話構成でもっと長くしてもよかっただろうが、
有名企業の創業の様子を端的に知ることができる作品。