不登校の経験を持つ大人しい高校生が
隠れたセンスと努力によって技を身に付け、
路上でのケンカに自分の居場所を見出していく話。
ケンカや格闘を題材にしていながら主人公はひどく怖がりだし、
内気ないじめられっ子というのが特徴。
根暗な性格のために何千回もの単純な訓練をこなし、
技術が磨かれていくというのは新鮮。
かなりのピンチに陥ることが多いものの、
主人公のセンスやひらめきによってピンチを切り抜ける感覚が気持ちよく、
主人公を中心としたキャラクターにも感情移入しやすいのが良い。
作者自身の経験談や格闘技に対する意見が
作中で頻繁に語られるのも特徴で、
世間で知られている格闘技やテクニックが
路上のケンカでどう効果を表すのかという説明が面白い。
テンポがよくてサクサクと読めるし、
格闘技に詳しくなくてもストーリーや戦いの面白さが味わえる名作。
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