滅びた世界でアメリカの西海岸を目指して歩く男の話。
原題は「The Book of Eli」。
終末世界が舞台のため、現代では当たり前に手に入るようなものが
妙に高い価値を持っていたり、
荒んだ暮らしをする人々の様子はうまく描かれており、
世界観やビジュアルにはなかなか魅力がある。
主人公は圧倒的な強さを誇り、
バッタバッタと敵を倒していく戦闘シーンも非常に迫力があって良い。
主人公が何のために西を目指すのか、というところに
この作品の面白味が隠されているのだが、
内容に対してやや長すぎる気もする。
もう少しテンポよく進んでくれた方がいいし、
30年間、苦労して歩き続けていた割には
終盤であっけなくたどり着いてしまったり、
結局、車で移動するのか、と拍子抜けする部分もある。
シンプルな話だが、筋書きは悪くないし、
戦いのシーンは素晴らしいデキだが、
少し詰めが甘いように感じるところがあった。