自分の気持ちを押し殺して生きてきた女性が
カウンセリングをきっかけに
考え方を変えた経験をまとめたもの。
自己嫌悪と他人を意識する気持ちが強すぎて
自分の意見や希望が表に出せなくなった作者が
それまでどんな思いで過ごしていたのかと
どういう考え方に変わったかがよくわかる。
挿絵やマンガのデキはかなりひどく、
絵も動きも見ていられない下手さ。
登場人物すべてが嫌な人に見えてきてしまうので
文章だけで構成した方がよかったように思う。
他人に迷惑をかけまいと思うあまり
自分の感情を我慢することは誰にでもあるが、
度を過ぎると袋小路に入ってしまうので
お互いをより理解するためにも自分の思いを伝え、
ストレスを感じ続けないようにすべき、というのは納得できる。
ただ、自分の不満をまき散らし、
周囲にいろいろなお願いをする様子を見ると
こんな人が身近にいると面倒くさそうだとも感じた。
社会生活をする上ではバランスが重要で、
他人と自分のどちらかだけを尊重しすぎると行き詰まる。
そのあたりがあまり語られていなかったのは残念。
本としてはストレスがたまるが、
同じようにがんじがらめになっている人が
殻を破り、ガス抜きさせてくれる意味ではよい。