体重計などの大手メーカーである株式会社タニタが
社員の収入増や自立を目指して始めた
個人事業主として雇用する制度についてまとめたもの。
これまで社員として雇っていた人たちを個人事業主とし、
手取り金額の向上と自由度を高めるための施策。
下手をすればリストラや長時間労働の危険が増して
労働環境が悪化しそうな制度だけに
社内の反応や導入の苦労などがリアルに語られていて興味深い。
担当業務の選択肢や労働時間の自由度は上がっても
フリーランスに近い立場になることで
経費やローンの問題など不安な点が生まれるが、
そういった部分をどう解決するかの実例が挙げられているので
似たような働き方を目指す人には参考になる。
終身雇用や年功序列といった制度が崩れつつある今、
雇用形態を大胆に変えることも視野に入れておく必要がある。
さまざまな恩恵を受けられるサラリーマンという立場に対し、
社会的信用や補償面が弱くなりがちな個人事業主のメリットが
どういったところにあるかがよくわかる1冊。
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