弟の死後、彼と同性婚をしたカナダ人が家を訪ねてくる話。
若くして死んだ弟は双子で同性愛者であり、
主人公は父子家庭として娘を育てているという設定だが、
物語の展開や説明がうまく、スムーズに内容が理解できる。
同性愛に偏見を持つべきではないという倫理観と
ふと湧き出しそうになる嫌悪感の間で悩む主人公が、
徐々に落ち着きどころを見つけていく様子が見どころ。
難しいテーマだが、
登場人物がいい人ばかりなので気が重くなることがなく、
それぞれに大きく感情移入しながら読むことができる。
キャラクターやエピソードの作り方がうまくて
いろいろと考えさせられる上に毎回の満足度が高い。
全4巻という絶妙なボリュームで、
家族愛や子供の養育の醍醐味を味わうことができ、
読んでいる側の視野を広げてくれる傑作。
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