あまり他人と関わろうとしない寡黙なタクシー運転手が
客として乗せた人々を通して
いろいろな事件に巻き込まれていく話。
序盤は個性的な乗客との会話を楽しむだけの作品に見えるが、
実はそれぞれが絶妙に絡み合っていることが
徐々に見えてくるという構成。
ただ、全体的にテンポが悪く、バラバラに思えていた話が
結びついていくという醍醐味を感じる前に単調さにダレてしまった。
芸人を声優に起用したり、
冷静にツッコミを入れるような主人公のセリフも
作り手が用意したわざとらしい笑いを押し付けられているようで
どうにものめり込むことができなかった。
すべての登場人物が何かしらの動物として描かれているが、
サル系のキャラクターが多かったり、印象が似ていたりと
人間関係が整理しにくかったのも事実。
ミステリーとしての完成度の高さが評価されているようだが、
キャラクターや作風、笑いのノリなどで
かなり人を選ぶ作品のように思う。