植物状態になった少年を回復させようとした看護師たちと
身体障害者のためのスポーツや仕事を
普及させた医師の奮闘を描いたもの。
障害により行動に大きな制限が生まれ、
本人や家族も諦め気味になっている状況で
多大な苦労を乗り越えて成功に至ったエピソードが読める。
美談とはいえ関係者の自己犠牲がベースにあるものの
いろいろな試行錯誤と行動力には頭が下がる。
特に後半に収録された中村裕の話が面白く、
身体障害者たちの社会参加が未熟だった1960年頃に
彼らの居場所を開拓していった功績が素晴らしい。
マンガとして読みやすく仕上げられているし、
障害者の思いを追体験する資料としても優秀な1冊。