これまでまともな読書経験がなかった男性が
短編小説を読みながら感じたことをその都度言葉にしたもの。
収録作品
●走れメロス(太宰治)
●一房の葡萄(有島武郎)
●杜子春(芥川龍之介)
●本棚(雨穴)
著作権の影響なのか古い作品が多いが、
1、2行読むたびに感想が挿入される斬新な構成で、
各文章に対して何を思い、どう感じたかを
逐一書きまとめたレポートになっている。
読書に対して拒絶感を持っているのかと思ったが
単に経験がなくて不慣れというだけであり、
読み進めるたびに一喜一憂する反応が新鮮で、
小説を読む楽しさを初心に戻って追体験できる。
また挿入される写真や感想に対するツッコミも面白い。
細切れになっているものの小説本文も転載されているので
感受性が豊かな人とペア読書をするような感覚で楽しめるし、
本を読んでみたくなる気にさせてくれる1冊だった。
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