30歳になりながらも大きなヒットのない男性漫画家が
美人編集者に釣られてエロマンガを描き始めた話。
作者の実際の経験を元にしたドキュメンタリー。
作者の弱気な言動にややイライラさせられるが、
実際の経験に基づいたエッセイとしては魅力があり、引き込まれる。
マンガを描くときの苦労もよくわかるし、
漫画家間の付き合いや編集者とのやり取りも楽しい。
ただ、「Tさん」「Nさん」のようにアルファベット一文字での名前表記は
人物が把握しづらくてわかりにくかった。
「バクマン。」ほど熱くマンガ作りに集中した話でもなく、
「僕の小規模な生活」ほど卑屈でもないちょうど中間に位置する作品。
美人編集者への恋愛心を糧に、将来を模索するリアルな姿に興味が湧く。
全体的に色が薄く、特に写植されていないセリフが読みにくいのは残念。