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イニシエーション・ラブ

真面目な大学生が初めての彼女と付き合っていく話。

序盤に明確な説明がなかったため、
しばらく1980年代を舞台にした話と気づかず、
知り合いとのやりとりの際に携帯電話の話題が出てこなくて
違和感を感じてしまった。

基本的にはかなり純情な恋愛小説だが、
叙述トリックを用いた構成で、ラストを読んだ瞬間に
それまでの物語の全体像が理解できる、というところがウリ。
しかし、それがわかるまでの本筋が単純すぎる古臭い内容で、
トリックを味わうためだけに読破するには見合わないほど退屈。

確かに仕掛け自体はなかなか面白いのだが、
それを味わうために薄っぺらい内容を耐えないといけないし、
後半になるに連れ、登場人物たちの魅力がなくなっていくのも辛い。
もっとボリュームを減らしても同じトリックは表現できただろうし、
トリックがあるからといって本筋が面白くなくてよいわけではないはず。

読み終わった人はトリックを解説したサイトで確認すると
短時間で整理できて良い。

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