ビジネスにおいて現状を改善していくための考え方や発想を提案した本。
マンガ部分は読みやすく、主人公にも感情移入しやすいが
エピソード間に挿入されている文章ページが長くてクドい。
「マンガでわかる」と宣言したなら文章ページはもっと比率を下げるべきだし、
同じ内容を再度文章で説明し直す必要はない。
ストーリーに関しては途中までさんざん社内で煮え湯を飲まされていたのに
唐突に起業のチャンスが来て成功したという流れは
やや運に頼った唐突な展開だし、リアリティに欠ける気がする。
現状を改善するための提案をする本のはずなのに
結局、違う職場に移ってしまうという展開は納得しにくいし、
人間関係の問題は距離を置く以外に解決しない、という風に受け取れた。
異動や退職をせずに成功していく例の方が
大半の読者にとって必要なケーススタディのように思う。
また、父親との関係も解決したとは言い難い結末で、
成功法則を説明するはずの本なのに、イマイチ説得力に欠ける。
ビジネスマンが読んで役立てるという意味ではあまり得るものがなかった。