Web上で掲載されている元ボクサー・竹原慎二の
素晴らしく鋭い悩み相談「竹原慎二のボコボコ相談室」を再掲載した本。
やけに甘えていたり、ウジウジ悩む相談者に痛快な一撃を叩き込むのは
読んでいて気持ちがいい。
これだけ短い文章で有無を言わせず納得させる回答も素晴らしい。
反論の余地のない正論と、
社会の厳しさをズバッと言い当てるセンス。
自分の経験談もまじえて社会の真理を突いた解説。
妙な優しさで甘やかさないところが逆に信頼できる。
相談内容を読んでイラッとして、
直後の竹原のコメントを読んでスカッとするという
連続技が中毒になってくる不思議。
最後の「今月のテンカウント」で語られるセリフに
素晴らしい優しさが詰まっているんだけど、
それが相談者に伝わるかが心配だ。
書籍に掲載されるにあたり、文字の大きさがいじられている点が非常に残念。
おそらく竹原本人ではなく、出版側の人間が
文章中の目立つ表現をより大きなフォントに変えたのだろうが、
これが本来の回答の性質を変えてしまっているような雰囲気が多く、
単に暴言を吐いているだけの印象が強まったのが厳しい。
質問が左ページに書かれており、めくると回答が書いてあるレイアウトはいいとして、
回答一発目の一言と、回答文章中の
センスのないフォントサイズいじりに左右されず、
文章の本質を読み取って楽しんで欲しい。