4つのホラー作品を集めた短編集。
収録作品
●みさき
●光子菩薩
●忌避(仮)
●綾のーと。
どの作品も事件について出所の異なる資料を
断片的に掲載している体裁をとっており、
それがリアリティと不気味さにつながっていて面白い。
文章だけでなく写真やデータなども雰囲気が十分で
実際にあった事件なのでは、と思わせてくれる。
まったく意味のわからないものもあれば
現場の状況を詳細に記録した内容もあり、
読み進めるにつれて少しずつ全貌が見えてくるのが怖い。
リアリティを重視するためか
残念ながら最後まで読んでも完全な真相は得られず、
もやもやとした落ち着かない状況で物語はぶつ切りになる。
読みにくいのに非常に惹きつける文章で
途中で中断できない不思議な没入感がある。
ホラー作品が好きな人はぜひ一度読んでみて欲しい。