1960年代に作られたテレビドラマ「スター・トレック」シリーズの映画版。
テレビドラマよりも少し前の出来事を描いた話らしいが、
そのシリーズを観たことがなくてもほとんど問題はない。
鋭角なデザインが一般的な宇宙船に対して
大きな円盤が特徴のエンタープライズ号はスター・トレックの特徴でもあり、
非常に巨大な雰囲気が映像から伝わってくるのは良い。
見たことのない宇宙の景色やそこで起こる出来事が
やたらリアルに感じられるクオリティは観る価値がある。
主人公がかなり野蛮で直感的なタイプなので好きになれないが
Mr.スポックとの対比のためにも必要な性格付けなのだろう。
あまりにも完璧で冷静なスポックの雰囲気は素晴らしい。
宇宙船の各機関が主要なキャラクターに次々と置き換わっていくのはお約束だが
それはそれで今後の展開を期待させる。
全体的にはクセのない特撮で非常に迫力のある映像が楽しめ、
特に後半はかなりのスピードで物語が展開されて面白い。
相当に先の時代を描いた割に、敵との戦い方は原始的なのだが
それはそれで仕方がないのかも。
子供の頃のスポーツカーのシーンや
どこかの惑星に落とされるシーンは不要な気がしないでもないが、
全体としてはなかなか楽しめた作品だった。
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