レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


男子高校生とふれあう方法<1巻>

男子高校生と接するために
いろいろな手段を試みるギャグマンガ。


4コマや1ページ読み切りの
短い区切りで完結するネタばかりが収録されており、
そのどれもが変態じみた展開ばかりで面白い。


なんとか男子高校生と接触したい女性が
その欲望のあまり狂気を感じさせるアイデアを詰め込んでくる様子は
新井理恵の「×(ペケ)」を思い出す。


シュールで斬新な笑いが好きな人向け。

もののけ草紙(ぞうし)<1~2巻>

もののけ草紙 (壱) (ぶんか社コミックス)

もののけ草紙 (壱) (ぶんか社コミックス)

  • 作者:高橋葉介
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2014/03/01
  • メディア: Kindle版

真の姿を見破る能力によって
いろいろな人たちの欲望をあらわにしていく少女の話。


版画のような独特のタッチに最初は戸惑うが、
妖怪たちがうごめく独特の世界観にフィットしており、
おどろおどろしい雰囲気が楽しめるようになる。


見せかけの姿と本性が交互に描かれ、
欲や恐怖に駆られたおろかな人間たちの言動と
儚い読後感が楽しめる個性的な作品。

半助喰物帖(はんすけくいものちょう)<全6巻>

現代にタイムスリップしてしまった江戸時代の侍が
女性の部屋に居候しながら料理を作る話。


グルメものでありながら
料理ではなくキャラクターに焦点を当てた作品で、
時代の変化に戸惑いながらも
なんとか役に立とうとする侍の言動が楽しい。


登場するのは素朴な料理ばかりなのだが、
思いやりにあふれた様子にグッとさせられる。
単純な設定ながら魅力的なキャラクター描写で
読んでいてほのぼのする良作。

重粒子の旅 鼻にガンができた!

鼻に悪性の腫瘍ができたマンガ家の中川いさみが
重粒子線治療を受けた日々をまとめたコミックエッセイ。


ガンというと胃がん・肺がん・乳がん・大腸がんなど
胴体部分にできるイメージがあるので
鼻にできたガンの治療記録というのはなかなか新鮮だった。
また、外科手術で切除するのではなく
放射線に関する治療の流れや副作用もよくわかる。


ほんわかとした中川いさみ特有の作風の中に
ふと病気に対する不安や辛さが描かれていて
自分が同じ立場になったときの
リアルな気持ちを想像してしまった。


将来への不安や家族への想いを伴う
放射線治療の日々を追体験できる上に
悲観的になりすぎることもない良作エッセイ。オススメ。


【関連作品のレビュー】
マンガ家再入門(コミックエッセイ)
クマのプー太郎(マンガ)
谷底ライオン(マンガ)


mclover.hateblo.jp

ハムスターの研究レポート<1巻>

飼っているハムスターの行動や反応を
4コママンガで描いたもの。


ペットを題材にしたコミックエッセイは珍しくなくなってきたが、
本作は1988年に連載されていたものなので
こういったジャンルの中では相当に古株と言える。


日常のちょっとしたやり取りを観察日記のように描いており、
ハムスターの無邪気さと作者の愛情が伝わってくる。
ハムスターの扱いが妙に雑な場面があるが、
笑いのために誇張しているのだと思いたいところ。


ペットとの生活を描いた先駆けの作品で
淡々とした独特の雰囲気かあるが、
ハムスターに興味がある人ならまずまず楽しめる内容。

今日はお茶碗ふたりぶん

親しい人と家で食事をする幸せを描いた短編エピソード集。


料理の材料や調理法ではなく、
食事のシチュエーションに焦点を当てた作品で、
ちょっとした瞬間に感じる幸せを描いている。


1話完結型でその都度新しい登場人物になるのかと思いきや、
いくつかのエピソードでは再登場したりするので
混乱する部分があるし、中途半端な印象を受けた。
毎回完全に新しい設定を描くか、
3組ぐらいのグループを使い回すかの
どちらかにした方がよかったように思う。


非常にありがちなキャラクターとセリフばかりなので
やや空々しく感じてしまう部分はあるが、
後味のいいエピソードばかりで
誰も傷つかない気楽な読み物としては悪くない。

サバイバル<1~5巻>

大災害に見舞われて沈没してしまった日本で、
無人島に取り残された少年がなんとか生き延びようとする話。


ゴルゴ13」の作者として有名なさいとう・たかをによる
1976年という古い劇画作品だが、
冒頭から一気に引き込まれる勢いがあり、
次から次へと訪れる困難に目が離せなくなる。


さまざまなサバイバル知識が新鮮で面白く、
わずか14歳の少年がわずかな知識を頼りに
いろいろな試行錯誤をして生きていく様子が素晴らしい。
これを読むと普段の生活のありがたみを再認識できる。


運の良すぎる展開がやや目立つが、
非常に感情移入しやすい主人公で
常に緊迫感が楽しめる良作。

花板虹子<1~3巻>

花板虹子【完全版】1

花板虹子【完全版】1

  • 作者:笠 太郎
  • 出版社/メーカー: グループ・ゼロ
  • 発売日: 2017/12/01
  • メディア: Kindle版

料亭の料理長としてやってきた女性を中心に、
さまざまな料理人や客とのやり取りを描いた話。


料理を題材にしているが、
調理法や味といったグルメ系の作品ではなく
主人公の生き様を軸にした人間ドラマに比重が置かれている。


人情味のある主人公の言動と
1話完結型の読みやすさのおかげで後味がよく、
毎話スッキリと読み終えることができる。
安定した面白さが続く良作。

最後のレストラン<1~3巻>

最後のレストラン 1巻 (バンチコミックス)

最後のレストラン 1巻 (バンチコミックス)

  • 作者:藤栄道彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: Kindle版

死を目前にした歴史上の人物に
料理を提供するレストランの話。


織田信長やマリー・アントワネットなど、
その死が知られている有名な人物が
殺される直前に現代のレストランにタイムスリップし、
彼らが満足する料理を考え出すという設定。


それぞれの人物の言動が個性的で楽しいし、
どんな料理を提供するのかという展開も気になる。
1話完結型で読みやすく、
各時代にまつわるウンチクが語られるのも面白い。


歴史ものと料理ものとタイムトラベルものを
非常にうまくブレンドした新鮮な良作。

霊能者ですがガンになりました

霊能者ですがガンになりました (ぶんか社コミックス)

霊能者ですがガンになりました (ぶんか社コミックス)

  • 作者:小林薫
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2019/03/07
  • メディア: Kindle版

乳がんを患った女性が
闘病した日々を描いたコミックエッセイ。


主人公の女性は霊能者ということだが、
そのあたりの話題はほとんど出てこないため、
ガン患者が体験する治療内容の資料として読むことができる。


女性の言動が乱暴で感情移入しにくいところはあるが、
どのようなきっかけでガンが見つかり、
どういう治療が進んでいくのかがよくわかる。


乳がん患者によるリアルな体験談で、
ガンという病気に対する心構えができる本。

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