航空会社の社員を中心に、墜落事故の後処理と
それまでにあった労働組合での闘いが中心となる企業ドラマ。
あくまでもフィクションとされてはいるが、
同時期に実際に起きた日本航空の墜落事故と酷似した描写が多く、
どうあっても連想してしまう内容になっている。
3時間20分を超えるほどのボリュームになっており、
墜落事故が起きた1985年付近と、労働組合に焦点を当てた1970年前後が
入れ替わりながら展開していく。
昭和の日本の代表的なサラリーマンや家庭の様子がよく再現されており、
ストーリーの深刻さも相まって、きちんと映像化したことは評価に値する。
労働組合というものをあまり意識したことがない人にも
主人公たちが会社と激しい交渉をする迫力は十分伝わるし、
組合と会社、家族の間で揺れる主人公の痛々しさが理解できる。
ただ、結構な時間をかけて大きな事故や闘いを描いたにも関わらず、
ラストがスッキリせず、果たしてこれで解決したのかが実感できない。
実話ではなくフィクション、というのであれば
なおさら大きな勝利か、太刀打ちできない絶望感かを味わわせて欲しかった。