知的障害の妹を支えてきたものの
仕事を失って生活に行き詰まった男性が
どうにかして生きていこうとする話。
まともな意思疎通もできない妹の
毎日の世話が重い負担となっている中、
いきなり収入が絶たれてしまった男性の生き様が
ひたすら生々しくてとにかく辛い。
罪悪感を感じながらも背に腹はかえられず、
ズルズルと手を広げていく展開は本当に恐ろしく、
どこまで理解しているのかわからない妹の
無邪気な言動が余計に痛々しさを感じさせる。
客観的に見れば虐待しているようにも見える主人公だが、
妹に対する責任感や愛情が伝わってくるを感じるだけに
もうそれしか手段がないのだという
無慈悲な現実を突きつけられる。
社会的弱者たちの置かれている世界を容赦なく描き、
手加減することなく味わわせてくるエグさ全開の作品。
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