大手出版社であるKADOKAWAとのやり取りによって
さまざまな迷惑をかけられた漫画家の実録エッセイ。
アシスタントやマネージャーもいない漫画家にとって
担当編集者は仕事で関わる唯一の人間となるが、
そのあまりにもひどい仕事ぶりが克明に伝わってきて
感情移入すればするほどイライラさせられる。
暴言や悪意がなかったとしても
相手の感情や都合が想像できない人間がいかに迷惑かがよくわかるし、
実際にこういう人が世の中にいることも事実。
ただ、この漫画家から発信された一方の言い分だけを
どこまでストレートに受け取っていいのかは判断できない。
「新人漫画家」とはあるものの
説明はうまくてマンガとしては非常に読みやすかった。
卑屈になった作者の言動は読んでいて疲れるし、
強気に出れず相手を甘やかしてしまう部分はストレスがたまるが、
大手企業の実名を出しつつ声を上げたことは評価したい。