視覚障害者が日々接する環境を
どのように感じているかを解説したもの。
目が見えない人が白杖や音を頼りに生活をするのは
さぞかし苦労を伴うものだろうと思っていたが、
視覚に頼った我々とはまったく違う形で環境を捉えており、
健常者が受け取っている視覚情報を
単純に引き算したものではないというところが衝撃。
なぜそういう感覚になるかという部分も
非常に納得できる理屈で語られており、
同じものに接しながらも把握の仕方が違うのが面白い。
見えることを前提とした世の中に不便はあるだろうが、
本書を読むと盲目ということがそれほど悲観的に感じなくなる。
視覚障害者しか味わえない体験がいろいろと垣間見れて
健常者とはまた別の世界を生きている内容に好奇心を刺激された。