世界の現状について、思い込みや印象ではなく
データをもとに正しい見方をすることを推奨した本。
洋書を翻訳したこのタイプの分厚いビジネス書は
非常に読みづらくて苦労することが多いが、
本書は圧倒的に読みやすく、スラスラと理解していける。
ビジネス書でこんなに楽しい読み心地の本も珍しい。
例えを用いた解説が抜群にわかりやすく、
世界の貧困、人口、医療、教育などの問題に関して
自分の持つイメージが間違っていることが
ズバズバと言い当てられてむしろ気持ちいい。
知っていると思い込んでいた情報がどんどん更新され、
新しい発見がいくつも手に入る。知見が広がる。
しかし本書のテーマはそういった最近の世界事情を知ることではなく、
事実を正しく見抜く感性を身につけることだ。
同じ事柄を扱っておきながら、少し見方を変えるだけで
一気に印象が変わるということがよくわかる。
それほど世間の人たちはイメージに左右されやすいのだ。
世界に対するいろいろな情報を更新できるとともに
物事を見る感覚のあやふやさが自覚できる1冊。
世の中のことを知っているつもりの人にぜひ読んで欲しい良書。