何人もの物理学者が自殺する奇妙な事件と、
不思議な世界を体験できるVRゲームを題材にした話。
前置きがかなり長く、登場人物や時代を変えて展開しつつも
全体の物語の方向性が見えないので序盤はかなり疲れる。
また、登場人物の大半が中国の人名なので
非常に把握しづらく、性別の判断すらしにくいのも難点。
重力を持った3つの物体が互いに影響しあって
予測不可能な複雑な軌道を描く「三体問題」を題材にしているが、
頭でイメージしにくい情景描写がいつまでも続く印象で、
とにかくテンポが悪くて読みづらく、
中盤を超えても惹きつけられるほどの魅力が感じられなかった。
SFの世界観やゲームに関する用語があまり説明なく出てくるので
そのあたりを知って方がスムーズに理解できるが、
同じく宇宙規模のSF作品である「星を継ぐもの」や
「インターステラー」で感じた没入感には遠く及ばなかった。