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世界の夜は僕のもの

1990年代前半のサブカルチャーを題材にした短編集。


1970年半ばに生まれた若者を主人公にしており、
当時の音楽やファッション、雑誌にマンガ、お笑いなどに
のめり込む様子をうまく描いている。


作者のエッセイなのかと思うほどリアリティがある描写ばかりで
当時のサブカルに触れていた人なら懐かしさを味わうことができるし、
若者特有の青臭さに昔を思い出すこともできる。
ただ、そういった文化を知らない世代には共感できる部分が少なく、
知らない人の昔話を聞かされているような疎外感を感じるだろう。


数話ずつで構成されるエピソードは
絶妙の哀愁を感じる場面が用意されているものの、
最後の結末が妙にあっさりしているのは残念。


1990年に大学生ぐらいだった人向けの作品。

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