江戸川乱歩の代表作のひとつで、
外交官の妻に椅子職人からの奇妙な手紙が届く話。
ほぼ全編が手紙の文面で構成されており、
送り主である椅子職人の独白で完結する短編だが、
非常に丁寧で紳士的な口調を通して
いろいろな情景が浮かんでくるとともに
彼の変態的な嗜好が伝わってくるところにゾクゾクする。
椅子に座って手紙を読んでいるだけの話で
恐怖感やフェティシズム、刺激的なオチなど
いろいろな味わいがあって満足度が高かった。
【関連作品のレビュー】
人間椅子(1997年公開映画)
山田全自動の日本文学でござる(マンガ)