外交官の妻に椅子職人からの奇妙な手紙が届く話。
江戸川乱歩の代表作を映像化したものだが、
実際に人間1人が入る椅子を作ると不自然に大きくなってしまうはずで
そのあたりをどう表現するのかと思ったが、
非常にうまくごまかしていて感心した。
ただ、原作が割と短編なので
忠実に再現しただけでは映画として短すぎるのか、
手紙を読む妻の私生活や欲求不満を描いて
ずいぶんと官能的な味付けになってしまっている。
その結果、小説版に比べてずいぶんテンポが悪く、
あまり意味のないシーンに時間を取られる印象で、
どうしても中だるみを感じてしまうのが残念。
本作を観るより原作小説を読む方が早く済むので
この設定に興味を持ったなら元の小説を読んでみて欲しい。
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