憧れのクラスメイトの体操着を盗んだ中学生が
事件をきっかけにどんどん予想外の方向へと引きずりこまれて行く話。
ボードレールの詩集「悪の華」を愛読する非常に気弱な少年が
クラスメイトに弱みを握られ、
どんどんと変態的行動を強いられる展開となる。
徐々に主要な人物全員の倫理観がおかしくなり、
誰がまともなのかわからなくなるところが見どころ。
先の展開が読めなさすぎて、この先、何が起こるんだろうと思いながら
怖々と読んでしまう強い引きがある。
ただ、展開が遅く、ページばかり消耗する特徴もあり、
巻数が進んでもそれほど大きな展開の変化はない。
最終巻となる第11巻は、期待させた割にかなりの失速ぶりで
意味ありげな大ゴマが連続するばかり。
きちんと納得いくラストが描かれるわけでもなく、
ひどく空っぽな状態で放り出された形になった。
インパクトがあるのは確かなので、普通のマンガに飽きてきた人向け。
【関連作品のレビュー】
惡の華(アニメ)
惡の華(実写映画)