シリコンバレーで会社を創業した著者が出遭った
さまざまな困難とその顛末をまとめたもの。
本書は成功体験や解決法を語った本ではなく、
会社を経営していくのがどれだけ大変でプレッシャーがかかるかを
自身の経験をもとに追体験する内容となっている。
そのため、前半3分の1は著者の会社が
これまでに遭遇したトラブルについての話で、
必死の努力にもかかわらず次から次へと困難が降り注ぐ様子がわかる。
ただ、キリのいい区切りがない展開と、人名が連続して登場する点は
翻訳されたビジネス書特有の読みにくさを感じる。
苦労はわかるが、ハッとするような有益な情報は薄く、
集中力を維持して読み切るのはなかなか大変だった。
中盤以降は著者の経営観を踏まえた短いコラムとなっており、
管理職や経営陣の人にとって参考になるアドバイスが読める。
一社員の立場で疑問に思っていた点に関して、
経営者目線から見た都合とメリットを知ることができたのはよかった。
ビジネス書として悪い内容ではないのだが、
グイグイ読み進めるほど引きが強くないので、
意欲的に読み進めないとなかなか終わらないのが残念。