第2次世界大戦において、ドイツ人に迫害を受けるユダヤ人たちを
自身の工場員という名目で救おうとした実業家の話。
戦争中の話でありながら戦場は一切描かれず、
全編に渡ってドイツ軍とユダヤ人とのやり取りに焦点を当てている。
直接的な処刑シーンはあるものの、そういった残虐表現よりも
ユダヤ人の置かれている状況の恐さを表現しようとしている印象が強い。
3時間を超える長編作品だが退屈することがなく、
圧倒的な支配力を持つドイツ軍を相手に
自分ができる範囲でいかにユダヤ人を救えるかに注力した
主人公の行動力にグッとさせられる。
特に終盤のシンドラーの言動は非常に感動的で、
「この映画を観て良かった」と思わせてくれる後味の良さがある。
第2次世界大戦中のナチスとユダヤ人、
アウシュヴィッツをはじめとする
強制収容所に関しての予備知識が必要だが、
心に残る戦争映画として評判通りの名作。
【関連作品のレビュー】
フェイブルマンズ(監督の自伝的作品)
後味が悪すぎる49本の映画(書籍)
監督のクセから読み解く 名作映画解剖図鑑(書籍)