お笑いタレントの島田洋七が書いた自伝をもとにした映画で、
母から離れた祖母の家で育てられた少年の話。
2006年に公開された映画からわずか3年後に
島田洋七自身が監督や脚本を務めて作られたものだが、
冒頭で映る舌足らずで演技力のない少年や
優し過ぎて毒気の足りないばあちゃんの様子に
いきなりクオリティの低さが伝わってくる。
2006年版の主人公には純粋さと愛らしさを感じたのに
本作はただ何も考えていない子供にしか見えないし、
重要な意味を持つ川にも情緒が感じられない。
芸人がたびたび登場するのも興醒めするばかり。
出演者の演技力、映し出される景色、
ストーリー構成、キャラクターなどすべてのデキが悪く、
なぜわざわざ見劣りするものをあとから作ったのか謎。
本作に魅力のある要素はひとつもないので
原作小説同様の感動を味わいたいなら
ぜひ2006年公開版を観て欲しい。
【関連作品のレビュー】
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佐賀のがばいばあちゃん(2006年公開映画版)