マンガで当たり前のように使われている表現が
どういう意図や効果を狙ったものなのかを
事例を挙げながら解説したもの。
ページ内を区切るコマ割りや
それに伴う視線の移動、読者に与える印象などが
非常に丁寧に解説されていて、
普段何気なく読んでいるマンガに
いろいろな工夫が詰まっていることが実感できる内容。
アニメや映画的な演出に通じる部分と、
絵を見せながら文字を読ませないといけない都合が
うまく融合して成立していることが理解できて
改めてマンガが独自の文化であることがよくわかる。
ただ、文章部分の文字がやたらと小さい上に
引用されているマンガも縮小されているので
電子書籍だと拡大しながらでないと読み取れなかったり、
解説文とマンガの事例が同時に見れなかったりと
スマホやタブレットで読むには相当に不便な構成。
また、各理論の事例として引用されているのが
筆者である森薫と入江亜季が手掛けた作品ばかりなので、
ほかの一般的なマンガにも本書の理屈が
当てはまるのかどうかの説得力に欠けるのも残念。
マンガを描く人が教科書代わりに読むか、
「エマ」や「乙嫁語り」、「北北西に曇と往け」といった作品の
ファンブックとして楽しむならまずまずの1冊。
【関連作品のレビュー】
メメント(映画)
アレックス(映画)
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