メイドとして働く「エマ」を主人公とした話。
一見、ゆったりした雰囲気かと思いきや、
1冊で結構な展開であって私好みの早いペース。
フワフワモタモタした恋愛ものかと思いきや、
割とパワフル。かなりアクティブ。そしてドラマチック。
人の顔の見分けがつきにくかったり
一瞬、誰のセリフかわからないことがあったりするけど
特に問題ないレベル。それ以上にキャラが立ってるし、絵も綺麗。
表紙がイロモノっぽく見えるけど、かなり正統派で
普通に面白い。これもっと話題になってもいいのに。
問題は最終巻。妙に分厚い最終巻。
6巻まではすごくいいテンポと雰囲気で
ゆったりしてる風なのに早い展開が気に入ってたんだけど、
7巻はなぜか急速に収束させようという流れが感じられて
「え~、今までのはなんだったんだよ」という感じになった。
ハッピーエンドのはずなのに何か後味が悪く、
エレノアが可哀想すぎ、とか
圧力を受けたままやり返さずに逃げ腰なのかよ、とか
微妙にストレスがたまったまま終わる。
これだと単にメイドにホレた長男が
家族のことを考えず勝手な行動をしまくった話、になってしまう。
個性的だと思われた兄弟たちも
結局、いいところを発揮させてもらえずに終了。
うーーーん、何か事情があるのかと勘ぐってしまうぐらい
今までの印象と変わった最終巻。もう「エマ」は手放すことにしました。