寄生獣＜実写日本映画版＞

寄生獣

人間の頭部を乗っ取る寄生生物が人々を襲う中、
右腕に寄生されてしまった高校生を軸にした話。
同名のマンガを原作とした実写映画で、全２作で構成される前編となる。

全10巻の原作を２本の映画に収めるためか、
複数のキャラクターやエピソードが合わさるよう再構成されていたり、
主人公の家が母子家庭に変更されているなど
原作ファンにとってはいろいろと不満を感じる部分がある。

登場人物の印象はかなり原作と異なり、
母親は品のいい無邪気なキャラクターから生活じみた母親像に変わっている。
短い時間でどんどん場面展開してしまうため、
村野里美やミギーとの関係の強さも伝わってこない。

ミギーが平気で目玉のついた人差し指を立てたり、
丸見えの状態で歩いていたりと危機感が薄いのはかなり疑問で、
周囲から隠す気がないように見える。甲高い声も理知的な雰囲気が薄い。
名前に執着しないはずのパラサイトが
田宮良子に向かって「ミギーだ！」と名乗る様子はあまりにも残念。

特撮技術の向上によって、ある程度観れる形で実写化しているが、
原作の面白味やキャラクターの深さを知っている者にとっては
表面的に再現しただけに見えてしまう。
本作で興味が出た人はぜひ原作を読んで欲しい。

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