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わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

  • 作者:西林 克彦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/12/13
  • メディア: Kindle版

日常的に行っている「文章を読む」という行為が
どれだけ不確かなものかを解説したもの。


シンプルな文章を一旦読ませた上で
その読解の甘さを指摘していく構成で、
きちんと読んだつもりであっても
実は文章を正しく理解していなかったり、
文中に書かれていない知識が必要だということを
実際に体験させてくれる構成が素晴らしい。


解説が非常に論理的でわかりやすく、
我々が文章からどういう意識で情報を読み取っているかを
客観的にとらえさせてくれる新鮮さを感じる。
文中に書かれた単語の意味はわかっているのに
実はその文章を正しく読み解けていなかったりと、
自分の読解力がいかにあやふやなのかを再認識させられる。


「自分は読解力がある」と思っている人にこそ
ぜひ読んで欲しい1冊。

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

ADHDや自閉スペクトラム症について
実例を挙げながら特徴を紹介した本。


学校や職場などの社会生活を送る上で
周りの人たちと異なる感覚や趣向を持つ人たちについて
どういう不便や苦しみを味わっているかがよくわかる。


本書の特徴として、複数の障害を併せ持つ人たちに焦点を当てており、
単独での症状が弱いだけに明確な診断が出ずに
障害と認められないまま苦しむ実例が挙げられている。


同様の状況に悩む本人や家族の納得や共感が得られる内容だし、
どういう過ごし方をすれば楽になるかというアドバイスも得られる。


周囲との違いを感じるのに障害認定がされないグレーゾーンの人たちが
客観的な分析から症状を理解していくための本。


mclover.hateblo.jp

禁断の現場に行ってきた!!

誰もが恐れるような場所や体験を
体当たり取材をした報告をまとめたもの。


6割がマンガ、4割が文章ページで構成されており、
北朝鮮や樹海、宗教施設へ行ってみた話や
汚部屋の清掃からゲテモノ食、物乞いなどを体験した話など
どの経験談もエグいものだらけで目が離せない。


写真がモノクロな上に品質が悪く、
現場の状況がほとんどわからないのは残念だが、
まさに命がけでいろいろものを体験していくエネルギーがスゴい。
文章もマンガも読みにくいのだが、ついつい読み進めてしまった。


下世話な内容だが、怖いもの見たさで読む分には
なかなか面白い1冊だった。

目の見えない人は世界をどう見ているのか

視覚障害者が日々接する環境を
どのように感じているかを解説したもの。


目が見えない人が白杖や音を頼りに生活をするのは
さぞかし苦労を伴うものだろうと思っていたが、
視覚に頼った我々とはまったく違う形で環境を捉えており、
健常者が受け取っている視覚情報を
単純に引き算したものではないというところが衝撃。


なぜそういう感覚になるかという部分も
非常に納得できる理屈で語られており、
同じものに接しながらも把握の仕方が違うのが面白い。


見えることを前提とした世の中に不便はあるだろうが、
本書を読むと盲目ということがそれほど悲観的に感じなくなる。
視覚障害者しか味わえない体験がいろいろと垣間見れて
健常者とはまた別の世界を生きている内容に好奇心を刺激された。

株は夢をかなえる道具

元グラビアアイドルの杉原杏璃
株式投資に取り組んだ自身の経験を踏まえてアドバイスした本。


「グラビアアイドル」という言葉から受ける印象と異なり、
かなりしっかりと勉強していると感じる内容で、
投資に対する彼女のスタンスや考え方がわかる。


投資に関する用語や判断の仕方などの
直接的な知識を得るための本ではなく、
投資のメリットや日々の過ごし方が書かれており、
投資に興味を持つ人の背中を押してくれる内容。


本書で興味が湧いた人は
資産運用に無関心な人が読む本」も合わせて読んで
具体的な投資活動を始めて欲しい。

開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学

元プロレスラーの川田利明
ラーメン屋を経営していく上でやってしまった
さまざまな失敗経験を語ったもの。


飲食店をする上で、味の追求以外にも
さまざまな苦労があることかがよくわかる。
資金面や店舗運営にどういう難しさがあるのかという
生々しい経験談が語られているのは貴重。


文章や説明の仕方があまりうまくないのが残念だが、
ラーメン屋に憧れて安易にチャレンジしようとする人に
冷静さを取り戻させる本としては有益。

「ついやってしまう」体験のつくりかた

任天堂で企画担当をしていた筆者が
プレイヤーを誘導するためのゲームの仕掛けを解説したもの。


没入感を高めてプレイヤーを熱中させるために
ゲームに仕掛けられたさまざまな仕組みを
論理的に説明した珍しい内容。


「スーパーマリオブラザーズ」、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」、
「ドラゴンクエスト」シリーズ、「The Last of Us Remastered」、
「風ノ旅ビト」「テトリス」などの実際の商品を例に挙げているので、
それらをプレイしたことがあるか
ある程度の内容を知っている人向けだが、
ただプレイしているだけでは見逃してしまうような工夫が
いろいろとピックアップされていて面白い。


ただ、全体的に説明が回りくどくて
妙にもったいつけた説明なのは気になるところ。
また、著作権の関係で画面写真を載せられないのはともかく、
添えられた図がどれも小さい上にやたらとわかりにくいのは残念。


説明のテンポが悪いせいでページ数に対して内容が薄いが、
ゲームの作り手を目指す人なら
ゲームデザインの知識をつけるために一読しておくとよい。


mclover.hateblo.jp

効く筋トレ・効かない筋トレ

筋トレに関する知識とやり方を解説したもの。


筋肉を効率的に鍛えるための理屈が
的確で論理的に説明されており、
トレーニングの適切な方法がわかる。


効いているというイメージでやっていたトレーニングが
実は無駄に疲労するだけのものだったりするので、
確かな理屈をしっかり学んでから鍛える方が近道だ。


また、トレーニング中のフォームや注意点においても
特別な器具を使わない家での筋トレから
トレーニングマシンを使ったジムでの筋トレまで
すべて網羅していて素晴らしい。


さらには食事面の話までカバーしており、
どういう理由で何を摂取すべきかが非常によくわかる。


筋トレに興味がある人のための教科書といった感じで、
とりあえず読んでおくだけで
筋トレに関する大半の知識を身につけることができる1冊。

採用に強い会社は何をしているか

いろいろな会社が
採用活動として行っている施策を紹介したもの。


実際の事例を数多く紹介した内容で、
写真も豊富に掲載されており、サクサクと読める。
目を引くための広告や入社後のギャップをなくす工夫、
企業イメージを伝えるものなど、新卒採用・中途採用とも
さまざまな人材募集のやり方があって面白い。


会社を存続させるには常に新しい人材を迎える必要があるが、
各業界で人手不足が叫ばれる中、
定型の募集方法だけではなかなか注目してもらえない。
そういった悩みに対して
参考材料となる募集方法をたくさん学ぶことができる。


後半は採用に関する具体的なアドバイスとなり、
採用活動の効率や成功率を上げるための工夫がわかる。


採用活動に苦労している人事担当者や経営者向けの1冊。

ブスのマーケティング戦略

自分をブスだと自覚する著者が
自身の価値を高めるために行った努力をまとめたもの。


「マーケティング戦略」というタイトルな上に
そこかしこに市場への商品売り込みの用語が出てくるが、
この本はビジネス本や自己啓発本ではなく、極上のエッセイだ。


自他ともに認める「ブス」ということで
普通なら卑屈になりそうなところだが、
自身や市場を客観的に分析した上で
どうすれば自分の居場所を確保できるかを
全力で考えているところが面白い。


著者の理論的な戦略や諦めずに行動する姿勢は
ブスな人に限らず、どんな人でも見習いたいところ。
前向きに努力し続けるパワーを味わって欲しい。

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