レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話

バンドやアーティストとしても活動する筆者が
経済や投資に対する考え方や姿勢を語ったもの。


「投資の話」というタイトルではあるが
実際に投資関係の話題が出てくるのはかなり終盤で、
それまでの大部分は経済の話で埋められている。
しかも筆者の持つ知識をひとつのトークにつなげたような文章で
各用語や話題の区切りがなく、ひたすらダラダラした話が続く。


内容は決して間違っていないし、
要所要所でいろいろと勉強した背景を感じるが、
初心者が読んでわかりやすいかというとかなり微妙。
また、経済や投資に詳しい人が読むと
基本的な内容を回りくどく説明しているように感じる。


口調が独特なだけで情報として目新しいものは特になく、
投資の初心者にも中級者にも中途半端な1冊だった。

ざんねんな兵器図鑑

実際に構想・開発されていた奇妙な兵器を紹介したもの。


第1次・第2次世界大戦を中心に
いろいろな国で考え出された兵器が載っており、
その奇抜なアイデアがたくさん味わえる。
失敗することが明らかなものが多いが、
常識に縛られない発想の大切さも伝わってくる。


ひとつの紹介が1~2ページなのでテンポよく読み進められるし、
ボツになった理由も納得できて勉強になる。
ミリタリーファンでなくても雑学として楽しめる本。

なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか

情報の表現方法による印象の違いや
メディア戦略について解説したもの。


半分ほどがマスメディアを軸とした情報伝達に焦点を当てた話で、
群集心理を考察するという意味では興味深いが、
戦争や平和というキーワードをタイトルに掲げるなら
第2章や第3章はいらなかったと思う。


逆に、情報の伝え方を軸にした解説なら
戦争や平和のといった話題に固執せず、
いろいろな事例を掘り下げた方が有益だった。


話題が行ったり来たりするような読み心地で
もう少しまとまりのある内容にして欲しかった。

上を向いてアルコール

アルコール依存症である筆者が
患者の行動原理や心理をまとめたもの。


酒がやめられない当事者のリアルな感情が
いろいろな経験談として書かれているので
依存症でない人や酒が飲めない人にも
患者の気持ちがよくわかるようになっている。


割と淡々とした雰囲気のエッセイ的な読み心地なので、
ギャンブル依存症の体験をまとめた
借金は身を滅ぼす」ほどの壮絶さは味わえないが、
アルコール依存症患者の生き様を垣間見ることができる本。

コメント力 「できる人」はここがちがう

いろいろな物事や状況に対して
気の利いたコメントをする価値を説明したもの。


コメントが他人に与える影響や重要さは理解できたが、
どうやってそういったコメント力を伸ばしていくかという
コツや練習方法はあまり得ることはできなかった。


「トレーニング集」と題される第2章は
実質的に先人たちのコメントを紹介しているに過ぎず、
そのセンスを味わう分には面白いが
日々行えるような訓練にはならない。


これならシャレたコメントをひたすら紹介する
事例集のような本の方が楽しめただろうし、
自己啓発の本ならもっと具体的な練習方法を提示して欲しかった。

高橋名人のゲーム35年史

ファミコン時代にその連射技術で有名だった高橋名人
当時の思い出を振り返ったもの。


「ゲーム35年史」というタイトルではあるが、
ゲーム機やゲーム業界を俯瞰的に網羅したものではなく、
あくまで高橋名人が関わった業務やイベントについての話が中心。


その大半が名人としての活動が盛んだった
1980年代の話で埋められている上に
当時の写真なども載っていないので、
話を聞いただけで当時を思い出せるような人向けの内容。


後半にこれまでのゲーム機をざっくりと振り返るページはあるが、
今読んで参考になるようなものは見当たらなかった。
昔のゲームやイベントの裏話を覗き見たい人のための本。


mclover.hateblo.jp

mclover.hateblo.jp

アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記

ライター業の傍らでUber Eatsを始めた中年男性が
その中で体験した苦労やエピソードを紹介したもの。


脱サラフードデリバリー配達員」と似たような内容だが、
本書はマンガではなく文字で書かれたエッセイとなり、

コロナ禍でたくさんの配達をこなした筆者自身の体験談から
Uber Eatsの仕組みや苦労が伝わってきて面白い。


特に、いかに商品を傷めずに運ぶかという点や
現地に到着したあとの客に渡すまでの苦労など
街なかで配達員を見かけたときや
客として利用するときには気づかない部分を知ることができる。


配達員の思いや愚痴をその都度書き留めたような
ざっくばらんで下世話な内容だが、
雑学としてサクッと読む分には十分な1冊。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

ビジネス的に陰りが見えていた大阪のテーマパーク、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを立て直した作者が
マーケティングの重要性と手法を解説したもの。


「マーケティング」という言葉を聞くと
消費者にアンケートを取るような市場調査をイメージしがちだが、
「商品を売れるようにすること」という本書の一文は
簡潔ながら本質を突いていてわかりやすかった。


USJをV字回復させた経験談を挟みつつ、
商品を売るための考え方や視点、
人の動かし方が細かく説明されており、
マーケティングの範囲だけでなく
人材価値や組織力を上げる意味でも参考になる。


ページ全体に文字がビッシリ埋まっていて圧倒されるが、
定期的に話題が変化してテンポよく読み進められる。
会社員として多角的な視点を身につけるための1冊。


【関連作品のレビュー】
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

面白くて眠れなくなる植物学

身近な植物がなぜ今の状態に進化したのか、
その目的や効果をわかりやすく解説したもの。


その姿が当たり前だと思って
あえて意識することがなかった植物について、
現在の生態がいかに合理的かがよくわかる内容。
サクサクとテンポがいい上に好奇心を刺激する文章で、
植物の形状を思い浮かべながら読んでしまう。


話の都合上、関連する他分野の知識も含まれており、
身の回りの事柄から知識を広げていくきっかけになる本。

すごいことが最後に起こる! イラスト謎解きパズル

小さなイラストをヒントに
マス目を埋めていくパズルを収録したもの。


18個のパズルそれぞれにかなり独特なルールがあるので
新しい問題に進むたびに小さな解答例を見ながら
ややこしい決まりを理解するのが面倒で辛い。


また、同じイラストを使っていても
「ヘビ」だったり「スネーク」だったり「巳」だったりと
適切な読み方を見抜かないと行き詰まるため、
文字数や法則を頼りに勘を働かせる必要があるが、
かなり強引な解釈もあって理不尽に感じる部分も多い。


理詰めで考えてマスを埋めていくのだが、
あまり他では見ないパズルばかりなので
最初のとっかかりを見つけるのが難しく、
全体的に爽快感よりストレスが上回る印象。


ただ、18個のパズルを解き終わってから取り組む最後の問題は
期待を持たせるタイトルをつけるだけあって
かなり手の込んだ凝った造りになっており、
2時間ほど四苦八苦しながらも大きな達成感を味わうことができた。


前半のイラストパズルはあまり楽しめなかったが、
最後の問題を解くために乗り越えるだけの価値はある。

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