経済や社会の動きを
中学生を主人公とした小説形式で解説したもの。
若い世代にもわかるように
お金の説明をするというコンセプトは大賛成だが、
せっかく小説形式で書かれているのに
登場人物に妙なアダ名が付いていて区別しづらくなっていたり
キャラクターの言動に魅力がないのは残念。
経済や金融に焦点を当てた本かと思いきや、
職業や政治などにも話が広がり、もったいぶった展開ばかりで
なかなか話が進展しないのもマイナス。
「かせぐ」「もらう」「ぬすむ」などの
独自の表現に置き換えた解説もわかりにくいように思う。
本来は中立であるはずの先生が
妙に職業差別や意地悪を感じる発言をするので
どうにもスムーズに受け取ることができなかった。
実用書としては期待したほどの知識が得られる内容ではないし、
小説としても引き付けられる魅力がなく、中途半端な1冊。