おとぎ話「桃太郎」の筋書きを
サイバーパンクの世界観に置き換えたもの。
画像生成AI「Midjourney」で作り出したフルカラー画像を
マンガとして構成した実験的な作品。
ひとつひとつが非常に描き込まれたクオリティが、
反面、コマごとにキャラクターの顔が違ったり
マンガとしての躍動感に欠けているという問題も感じる。
イラストレベルのグラフィックながら動きのない独特の雰囲気は
アメリカンコミックのような読み心地。
世界観は「攻殻機動隊」や「銃夢」に通じるものがあり、
桃太郎を構成する要素を非常にうまくSFに置き換えていて
話が進むたびに「こう来たか…」と新鮮な面白味が味わえる。
短い作品ながら導入から山場、クライマックスまで
ひとつの物語として綺麗に完成していることには感心する。
巻末にはマンガとして作り上げる際に
画像生成AIをどう活用したかという苦労話も添えられており、
桃太郎のアレンジ作品としてもAI技術の活用例としても
悪くない刺激が得られる内容だった。
