レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


将太の寿司<1~3巻>

一人前の寿司職人を目指して
寿司屋の下っ端として修行する少年の話。


料理を題材にしたグルメマンガなので
調理のテクニックや素材で勝負していくが、
その背景にある人間ドラマのクオリティが高く、
主人公を含めた関係者の人情にグッとくる。


ネタとシャリだけで構成される寿司というシンプルな料理で
いろいろと物語を展開できる作者の引き出しの多さが素晴らしい。
単に至高の味を追求するグルメマンガではなく
師弟愛、親子愛、友情などを絡めたサクセスストーリーになっている。


1990年代の古い作品だが、いろいろな感動が味わえる良作。

サイコメトラーEIJI(エイジ)<1~3巻>

人や物に触れることでそれに関わる音や映像を
断片的に感じることができる能力を持った高校生の話。


残留思念が読み取れるサイコメトリー能力は強力とはいえ
いきなり犯人を突き止めるような直接的な情報ではなく、
相棒である刑事のプロファイリングと合わせて
少しずつ真相に近づいていく過程が面白い。


ひとつの事件を1.5巻ほど使って描くため
割と読み応えのあるボリュームになっており、
超能力をうまく使ったミステリーの佳作といえる。

ひゃくえむ。<全5巻>

100メートル走に対する人並み外れた才能を持ち、
そこに拠り所を見出した少年の話。


自分の存在感を表現する唯一の方法が
足が速いことだと考える主人公が
いろいろな人と出会いながら葛藤していく話だが、
読んでいる者にとにかく訴えてくる作風で
鬼気迫る思いがヒシヒシと伝わってくる。


絵はそこまでうまくないがキャラクター造りが秀逸で、
100メートル走という単純な競技を
これほど深く掘り下げて表現するテクニックが凄まじい。
短距離走を題材にしてはいるが、その本質は人間ドラマで、
どの登場人物のバックグラウンドもしっかり描かれている。


スポーツマンガでありながら単なる熱血で済ませず、
成長、挫折、自負、驕り、策略など
いろいろな人生観が込められた傑作。オススメ。

MFゴースト<1~3巻>

電気をエネルギーとした自動運転車が普及した近未来を舞台に、
エンジンを積んだ車で公道を走るモータースポーツを描いたもの。


公道を走る市販車の勝負を題材にしながらも
ドローン中継などの近未来を感じる設定があるのは新鮮。
また、マシンの規制が接地面積に対する重量だけで
排気量や馬力などが自由というのも面白い。


同作者の「頭文字D」と同様の迫力や興奮が味わえる反面、
人物の描き方は上達していないどころか
これまで以上にイマイチで魅力を感じないのが残念。
また、背景に写真をそのまま使っているコマも違和感がある。


やや話のテンポが遅く感じるところや
解説者のセリフが載った背景が延々と続く場面は気になるが、
「頭文字D」のような公道レースが好きな人なら楽しめるだろう。


【関連作品のレビュー】
MFゴースト(アニメ)
頭文字D(マンガ)

昭和ファンファーレ<1~2巻>

昭和初期の日本を舞台に、
家庭の中で孤独を感じていた少女が
歌の才能を開花させて成り上がっていく話。


少しずつ文化が発展していくレトロな雰囲気の中、
持ち前の歌の才能と負けん気で
自分の居場所を見出そうとする主人公が愛らしい。


主人公もライバルも絵に描いたような泥臭い境遇だが、
彼女たちを支える存在もいるので
そこまで辛い気持ちにならなくて済む。


新鮮な世界観と感情移入しやすいキャラクターで
人を選ばず気軽に読むことができる良作。

無限の住人<1~5巻>

死ねない身体になってしまった剣士が
少女の敵討ちに手を貸す話。


スクリーントーンをあまり使わず、
鉛筆で何度も線を引いたような独特なタッチが
和風の世界観によく合っている。
ただ、人の顔が見分けづらい部分があり、
特に女性キャラは見間違いが頻繁に起こる。


100人斬りの異名を持つ主人公なので
人並み外れた強さを見せるのかと思ったが、
かなりのダメージを追いつつ
不死という設定を活かして無理やり乗り越えていく。
そうやって苦労して敵にとどめを刺したときに
額に入った絵画のような見開きになるのは面白い。


いくつもの武器を使った多彩な戦いが見れるのはいいが、
主人公の強さがあまり実感できない点や
卑屈で冷淡な一面を見せる言動など、
割と人によって好みが分かれる作品。


【関連作品のレビュー】
無限の住人(実写映画)

水溜まりに浮かぶ島<全5巻>

育児放棄のために肩身の狭い生活を送る少年と
凶悪な犯罪者の精神が入れ替わってしまう話。


少年の家族や知り合いに加え、
犯罪者側が5人グループなので
冒頭から名前と顔が一気に出てきて
登場人物の整理が追いつかなくて混乱する。


ストーリーも引きが強くて読み進めてしまうとはいえ
特に予想を超えるような展開や衝撃的な出来事が起きず、
同作者の他の作品ほどのめり込むことはできなかった。

月曜断食やってみたらスルッとやせました。 アラフォーでも体型キープできてます

週に1日だけ水のみで生活するダイエット法を
体験した様子を描いたコミックエッセイ。


断食したり食事回数を減らすことに対する是非はあるが、
実際に断食したときの感想や
それを妨げる日常の出来事が垣間見れて面白い。
意欲にあふれて真摯に取り組むのではなく、
いろいろな誘惑や都合に流される作者なので共感しやすい。


人によって合う合わないという違いや
運動を伴わない減量法のデメリットはあるだろうが、
ひとつの事例を読みやすいマンガで味わえる。

ザ・ファブル The second contact<全9巻>

ザ・ファブル」の第2部として始まったシリーズで、
一般人として社会に溶け込んだ主人公たちが
再び抗争に巻き込まれていく話。


主人公の生活が多少変化しているものの
身近な人間との間の抜けたやり取りは前作同様で、
第1部のノリが好きだった人なら違和感なく楽しめる内容。


本人にその気がないのに
ジワジワと事件に巻き込まれていく筋書きも秀逸で、
スロースタートながら定期的に見せ場があるのがいい。


前作の流れと人間関係を知っている必要はあるが、
主人公とその仲間の言動を引き続き見たかった人には嬉しい続編。


【関連作品のレビュー】
ザ・ファブル(マンガ)
ザ・ファブル(実写映画)
ザ・ファブル 殺さない殺し屋(実写映画)

カナカナ<1~2巻>

ヤクザと勘違いされる風貌の男が
5歳の少女を引き取って育てていく話。


子供と接した経験がない独身男性が
試行錯誤しながら幼い子供の面倒を見ていくという
うさぎドロップ」のような設定だが、
少女が人の心を読める超能力を持っているところが特徴。


凶悪そうに見えて純粋で思いやりのある男性が
不器用ながら子供を育てていくところが見どころなのだろうが、
キャラクターの魅力がそこまで伝わってこないので
これまでの西森博之作品ほど惹きつけられる部分がない。


筋書きも単純で盛り上がりに欠けるので
2巻まででは続きが気になるほどの引きはなかった。


【関連作品のレビュー】
カナカナ(実写ドラマ)

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