有名な作家の不倫相手との間に生まれた青年が
母の死後にある人物からの連絡を受ける話。
「予測不可能な衝撃のラスト」「ネタバレ厳禁」
「電子書籍化は不可能」などと煽る宣伝文句が添えられた
いわゆるどんでん返し系の作品だが、
その期待に十分見合うだけの大きな衝撃が得られた。
難しい言葉も回りくどい表現もなく
小説としても非常に読みやすい文体で、
常に緊迫感がある引きの強い筋書きで面白く、
テンポもよくて読み進める手が止まらなかった。
話の途中で出てくる謎の意味にはすぐ気づいたため、
「この程度で衝撃の結末なのか?」と心配になったが、
そういう次元を大きく超えたトリックに驚かされた。
読破するのにちょうどいいボリュームと期待を裏切らない仕掛けで
普段あまり小説を読まない人にも
ひとつのエンターテインメントとしてお薦めできる1冊。









