ふと会話を交わした同級生に
徐々に惹かれていく中学生の話。
淡々とした静かな雰囲気を感じる独特なタッチだが、
思い切った勇気の出ない中学生の
淡い恋心がうまく描かれていて引き込まれる。
心理描写が絶妙で、直接的なセリフがなくても
それぞれの想いがしっかり伝わってくる。
報われない片想いを追体験できる佳作。
ふと会話を交わした同級生に
徐々に惹かれていく中学生の話。
淡々とした静かな雰囲気を感じる独特なタッチだが、
思い切った勇気の出ない中学生の
淡い恋心がうまく描かれていて引き込まれる。
心理描写が絶妙で、直接的なセリフがなくても
それぞれの想いがしっかり伝わってくる。
報われない片想いを追体験できる佳作。
人間とオバケが共存する村に住む幼い吸血鬼と幽霊が
広がり始めた感染病の薬を手に入れるために旅に出る話。
序盤は1話完結型の子供向け作品に思えたが、
未知の出来事に無邪気にはしゃぐ様子と
読み手にも何が起こるかわからない不思議な世界観で、
登場人物が出そろったあたりから徐々に面白くなってくる。
ほのぼのした雰囲気の愛らしいキャラクターも魅力的だが、
少しずつ勢いが増していくストーリー展開に加えて
とにかく読み終わったときの清々しい後味が抜群。
全員が幸せな状態に落ち着くのが素晴らしく、
年齢を問わず楽しめるディズニー作品のような1冊。
会社では地味で生真面目な印象を持たれながらも
ベリーダンスに生きがいを見出す中年女性と
その周囲にいる人たちのやり取りを描いた話。
人付き合いが苦手で飾り気のない女性の
意外な一面を軸にした筋書きではあるが、
いろいろな人の成長と反省が込められており、
登場人物それぞれに感情移入しながら読める。
一般的な作品のセオリーから外した流れもあり、
予想外の展開や人間模様が見れるのは面白い。
特に3巻あたりから没入感が高くなるだけに
作者死去で未完となってしまったのは残念でならない。
恋愛の要素も含まれているが、
それよりも自分のアイデンティティや
価値観を見つめ直すことに重点が置かれた良作。
母親の影響で電車に乗ったことがない女子高生が
数人の鉄道マニアたちとともに乗る列車の中で
殺人事件に遭遇する話。
わずかな人数しか乗っていない上に
電車という閉鎖空間で起きた殺人事件について
ジワジワと真相に近づいていく展開だが、
佐々木倫子特有のノリの軽い登場人物が
シリアスな状況とイマイチ合わなかったり、
話が頻繁に脱線してテンポが悪いのが残念。
上巻の最後に明かされる幻夜号の秘密や
下巻後半で一気に究明される真相は刺激的だったが、
ミステリーとして骨太な原作に対して
ギャーギャー騒いでうるさい鉄道マニアたちがノイズでしかなく、
マンガとしての軽い作風との相性が悪かったように思う。
錬金術に役立つスキルを身につけて
現代社会からファンタジー世界に転生して主人公が
奴隷の少女と傷ついたエルフと過ごしていく話。
異世界転生もののセオリーをなぞりつつ
スキルや世界観に関して骨太の設定が用意されており、
話が進むたびに新たな情報が飛び込んでくる。
その関係で常に頭を使いながら読む必要があるが、
主人公も奴隷も論理的で賢いため、
状況をうまく役立てていくやり方に感心しながら楽しめる。
また、かわいい絵柄とキャラクターでありながら
残酷でエグい描写もチラホラと垣間見えるので
恋愛でも勧善懲悪でもファンタジーでもバトルでも
いろいろな方向に発展させられそうな作風。
話がどういう方向に進んでいくのかはわからないが、
感情移入しやすい登場人物と奥深い設定で
しっかりとした読み応え味わえる作品。
獣医師を目指す高校生が
いろいろな動物が死に至った原因を探っていく話。
獣医を題材とした作品だが、
ペットの怪我や病気を治療する職業ではなく、
事故や犯罪が絡む調査をしていく法獣医学をテーマにしている。
そこに完全記憶能力を持った主人公が協力し、
ミステリーとしてテンポよく展開していく。
身の回りのいろいろな動物が登場するため
かわいいだけでは済まない事情を学ぶことができるし、
2人の少年も個性的だが優しくて感情移入しやすい。
彼らを取り巻く周囲の人々もいい人揃いでストレスがない。
あまり後味のよくない話がある序盤よりも
数巻読み進めた大学編からの方が面白くなる。
ひとつのエピソードが数話で完結するので
サクサクと気軽に楽しめる佳作。
「毎日一緒におさんぽ編」に続くシリーズ3作目で、
幼稚園に通い始めた娘との日々を描いたもの。
サブタイトルにあるほど自転車は登場しないが、
4歳前後に成長して自己主張が強くなった娘との
微笑ましい日常が描かれており、
幼い子供を持つ親の気持ちを追体験できる。
実際にはいろいろな苦労があるのだろうが、
あくまでエッセイとして気楽に楽しめるよう
子育ての醍醐味だけを抜き出した作風になっており、
ウンザリやイライラを感じさせずに読むことができる。
夫や娘、両親や義母など
いろいろな人からの愛情が感じられるエッセイ。
【関連作品のレビュー】
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おかあさんライフ。
おかあさんライフ。<毎日一緒におさんぽ編>
良いかげんごはん
「おかあさんライフ。」の続編で、
40代で母親となった作者によるコミックエッセイ。
娘が1歳9ヶ月に成長して
ある程度の意思疎通ができるようになったことから
いろいろな個性や苦労が見えてきて面白い。
子育てもののエッセイは
育児中の疲れや不満が吐き出されていることがあるが、
本作は子供や夫に対する文句は描かれておらず
単に子育ての楽しい様子だけが読み取れるので
ストレスを感じず幸福感だけ享受できるのがいい。
ドタバタした日々の中から家族愛を感じる良作エッセイ。
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おかあさんライフ。
おかあさんライフ。<今日も快走!ママチャリ編>
良いかげんごはん
日々の生活にウンザリしていた少年が
不思議な生き物とロボットに誘われて宇宙に飛び出す話。
「21エモン」後半の宇宙旅行と非常に似た雰囲気があり、
藤子・F・不二雄作品には珍しく連続性の高い筋書きと
命懸けの展開がたびたび訪れるところが新鮮。
特殊な顔ぶれの主人公たちは割と常識人で、
道中で訪れた星の特殊な文化に
いろいろなツッコミを入れながら
過酷な状況を切り抜けていくところが面白い。
ややブラックな笑いも割と多く、
知名度は低いものの大人が楽しめる良作。
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